古民家の値段
気に入った物件が見つかっても、やはり目の前にスタバがあっても、少し歩いてドトールを選んでしまう庶民にとって、価格は非常に重要。
一旦どんな仕組み?という点について、少しウンチクお披露目です。
1 住宅の値段
古民家の値段を考える前に、まず一般住宅の値段について。(知っている人は読み飛ばして下さい)
①一般的に、住宅とは新築時が最高価格で、そこから価値が目減りします(減価償却)
木造建築の場合は、22年で価値がゼロになります。
物件の状態や、土地の人気などで、価格が上下することもありますが、基本のルールは変わりませんので、価値の算出には大きな指標となります。
②また、現在の住宅価値を決めるのに重要な要素として、耐震基準があります。
これは、2000年、1981年それぞれに、耐震基準が大きな変更が加えられており、
それ以前の住宅は耐震基準を満たしていないために価値downしてしまします。
2 価値の決め方
上記の基準に、今回の物件を当てはめてみましょう。
①築年数 90年木造建築 ⇒ 22年以上なので価値なし
②耐震基準(1981年古い方)以前 ⇒ 価値大幅減
①②とも当てはまらないので、物件としての価値はほとんど認められることはありません。
おい、22年なら今年から①だけで十分だろ、というツッコミあるかもしれませんが、ノンノンノン。
古い家屋には、リフォームというパターンがあります。
①に当てはまるが、リフォームでやり直しているので実は価値残っている、というパターンもあります。
その場合でも、②の基準に則って改修がされているのか、もしくはそうでないのかは、重要なので確認必要になります。
ただし、②の基準に則っている場合は、ほぼ在来工法でしょう。
よって、今回の購入物件もそうなのですが、伝統工法の物件というものは、ほとんどの場合、価値がないものとみなされるのです。
でも、本当に価値がないものなのでしょうか?
3 将来へ向けて
現行の建築基準法によれば、伝統工法にはもはや価値がない、と考えられますが
それはあくまで一般的な標準規格に当てはめた場合の話。
現在は、古民家ブームもあり、また伝統工法に対する見直しなども進んでいるため価値が認められる物件も出てきています。
では、買い手はどうやってそれがわかるのか?
結論・・・ わかりません(笑)
わからない、というのは語弊があり、伝統工法でもきちんと
確認申請(耐力計算)をとれる方法があります。但し、それはかなり難。
詳しくは、以前紹介したブログのインタビュー動画などをぜひ見てください。
【取材】伝統構法で新築してる現場に行ってきました - 古民家で暮らすためのポータルサイト クロニカ (kuronika.com)
古民家は移築できます【坂井建築事務所@兵庫県川西市】 - 古民家で暮らすためのポータルサイト クロニカ (kuronika.com)
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限界耐力計算が、2012年より正式に採用された基準です。
ただし、そもそも建てられたのがウン十年前の物件を購入するのに、"限界耐力計算" が採用されているわけないですよね?
新築や、大規模建替えはありえますが、そういう人は住みます、ハイ。
中古物件で出回っているもので通常の耐震基準を満たすものは期待できません。
なので、"昔の建て方" を知っている人に、ちゃんとなっているか見てもらう、
これが一番だと思います。
信頼できる工務店を先に見つけた方がよい
ー ナンカ・デ・ミタ ー
4 建物以外の注意点
結局探されている多くの物件は、「古家付土地」に該当して、
ほとんど土地の値段となっているはず。玉石混合ですので、慎重にならねば。
それ以外でも、古民家特有(ともいえないけど)のそれ以外の注意点も。
【 解体費用 】
「上屋に価値がある」と「上屋に価値がない」では大きな違いがあります。
それは解体・撤去費用。
基本的には「古家付き土地」は、だれが更地にするの?の問題なので
その分は、費用から相場から下げられるはず。
【 水回り 】
下水接続の有無、浄化槽の有無など。
撤去が必要になるのなら、購入者負担のコストになるので交渉材料です。
水道管の劣化による水漏れ等もないかチェック。
※ 浄化槽や水回りの位置関係、その周辺の構造材腐食などにも注意。
【 公道関係 】
接道義務の有無 / セットバックの有無
昔の土地が多いので、建替えになる際などに地味に影響あります。
【 その他 】
周辺の平均価格/人口度合い(若い人の出入り)
以前、気にいった地域で聞きまわった時は、「子どもなんてこの集落にいないね~」
と言われ、諦めました。
雰囲気に流されてしまわないこと、重要です。
5 まとめ
いかがだったでしょうか?
色々と価格が条件あり、適正価格がわかりにくい古民家ですが、
普通の物件と同じく需給の問題なので、
ライバルいなければ安くなるし、いれば高くなる。
それだけです。不動産屋と話しを煮詰めていきましょう。
今回物件を見ていた中で工務店の選定が終わっていなかったので、
物件の決断は少々悩みました。
前回は、サクッと決まった感じに書いてましたが、
決めあぐねて物件は3回ほど見に行っていってます笑
が、不動産屋が価格交渉提示してくれた金額が目標以下となり、
色々と不利な条件(下水接続なし、接道なし、など)込み込みで
妥協ラインを超えたので、交渉成立!!
無事物件の購入する流れとなりました。
あとは、リフォームプラン考えて住むだけ、簡単簡単♪
と大きな決断をして一安心していました。
これがまだ入り口に過ぎなかったことを知る由もなく・・。